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TVer広告とは?基礎から、細かなターゲティングができる隠れた配信方法まで解説

年々、メディア規模を拡大している「TVer」。今やアプリダウンロード数は7,500万を超え、国内最大級の動画配信プラットフォームとなるまでに成長しました。これに伴い、同メディア内で動画広告を配信できる「TVer広告」の需要も高まりを見せ、2023年度における広告主の数は前年比174%にあたる1,139社にのぼったとされています。

TVer広告の成長が加速したのは、メディア規模の拡大はもちろんですが、認知獲得媒体としての優れた特性の数々、そして、独自のターゲティングでTVer広告ができることを強みとするDSPなどとの接続が進んだことも一因と言えます。この記事ではTVer広告の概要や特徴と、まだあまり知られていない、さまざまなターゲティング方法をご紹介します。

TVerとは

まずは、TVerのサービス自体についておさらいしましょう。

TVerは民放公式のテレビ番組配信サービスです。ドラマやバラエティ、アニメなど、民放各局が制作した800以上のテレビ番組を完全無料で見ることができ、現在放送されている番組の見逃し配信やリアルタイム配信、過去番組の配信などが楽しめます。メディア規模は2024年7月時点でアプリダウンロード数7,500万、月間ユニークブラウザ数4,000万、月間再生数4.8億回と、ここ数年で大きな成長を遂げました。

その要因はふたつあり、ひとつはコネクテッドTVの普及です。コネクテッドTV(以下、CTV)とは、インターネットに接続されたTVデバイスを指し、TVerにおけるCTVでの月間再生数は2022年時点で5,000万回であったのに対し、2024年7月には1.5億回と3倍にまで急伸。今やテレビのリモコンにTVerボタンが付いているのも珍しくありませんが、CTVでの視聴習慣ができたことがTVerの成長にひと役買っていると言えそうです。

もうひとつは、番組コンテンツの拡充。もともと強かったドラマ・バラエティ番組においては、テレビで放送されている番組のほとんどを視聴できるまでに至った一方、スポーツのライブ中継やアニメといった新ジャンルも開拓されています。2024年に開催されたパリ五輪のほぼ全競技を配信していたことも、記憶に新しいのではないでしょうか。

また、このように幅広い世代に対応した番組をラインアップしているため、下図の通りバランスよいユーザー構成となっています。無料サービスであることから若年層(ティーン、M1・F1)、とりわけスポーツ・バラエティコンテンツの拡充により男性層の支持が厚くなってきた傾向にもあると言われています。

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【参考】「TVer、広告主数1139社の大台突破!好調を支えた背景を解説〜TVer Biz Conference 2024レポート<その2>」

メディア規模・ユーザー層的にも、認知獲得媒体としてのメディアパワーを十分に備えた媒体と言えるでしょう。

TVer広告とは

TVer広告は、TVerや各放送局が運営しているキャッチアップサービス(FOD、テレ朝動画など)に配信できる動画広告。ユーザーが視聴している番組の前後や途中に配信できる、6~60秒のスキップ不可の広告で、認知獲得を叶える以下の3特徴をもっています。

高い視聴完了率による認知獲得効果

TVer広告の視聴完了率は、15秒、30秒、60秒動画いずれの場合も95%前後と、ほとんどの広告が最後まで視聴されています。もちろん、スキップ不可という仕様が大きな要因のひとつではありますが、TVerは通常のテレビ視聴と同じ感覚で見られるため、番組中に流れる広告への嫌悪感が少ないことも挙げられます。実は、TVerの配信番組はどのタイミングで広告を挿入するか、ひとつひとつ人の手で決められているため、なるべく不快に感じられないよう最適化されていることも、嫌悪感が少ない理由のひとつです。

このように、広告を最後までしっかりと見せる環境づくりがなされていることもあり、ある配信事例では、広告非接触者と比べて、接触者の広告認知度が+50ポイント以上、サービス認知が+30ポイント以上になったという実績が出ています。

テレビを見ない若年層もカバーできる

一時期「若者のテレビ離れ」が叫ばれていましたが、これは半分正解、半分間違いであることがわかっています。メディア環境研究所の2024年度「テレビ番組視聴意識調査」によると、テレビ番組への好意度について「とても好き」と回答したのは、意外にも10〜20代が各年代でトップ(35.4%)であったという興味深いデータが出ています。

一方で、TVer視聴時に使われるデバイスの利用率を調べた同調査の結果では、「スマートフォン」と回答したユーザーの割合は、男性10〜20代が70.3%、女性10〜20代が67.4%と、男女ともに当年代層がトップであることもわかっています。

つまり、視聴デバイスがテレビからスマートフォンに変わっただけで、テレビ番組自体は若年層も見ているのです。前述したとおり、TVerは若年層ユーザーが増えている傾向にもあるため、TVer広告ならテレビCMではアプローチできない層にもリーチ可能となっています。

高精度なターゲティング

TVer広告では、類推を含まないターゲティング設定が可能です。利用開始時のユーザーアンケートにもとづく実登録情報から、性別(男女)、年齢(1歳刻み)、地域(都道府県/市区町村)、17の興味関心項目を正確にセグメントして配信できます。また、”人”ではなく”枠”のセグメントとして、全放送局のコンテンツを横断した番組ジャンルの指定や、36に分類したより細かなサブ番組ジャンルでのターゲティングも可能(特定の番組指定は不可)。たとえば、これらをかけあわせることで次のようなセグメントが作れます。

例:40代以上のビジネスマン
40~64歳×男性×「ビジネス」「報道・ドキュメンタリー」ジャンル

例:幼児がいるママ
30~39歳×女性×「アニメ・ヒーロー」ジャンル

なお、広告主が広告代理店にTVer広告の出稿を依頼した場合、配信業務をTVer社が行うパターンと、広告代理店が行うパターンの二通りがあります。それぞれ使えるターゲティング項目や広告視聴の獲得効率、使用できる動画素材、最低出稿料金、メリット・デメリットが異なりますので、目的にあわせて選定する必要があります。

実はまだある、TVer広告のターゲティング方法

TVer社に依頼しなくてもTVer広告を実施する方法があります。それが、TVerを配信面のひとつとして契約しているDSPなど、第三の広告配信プラットフォームを通じて出稿する方法です。それらは通常のTVer広告にはない、各社独自のターゲティングが使えるようになっていますので、その一例をご紹介します。

視聴・未視聴ターゲティング

特定の番組や自社・他社のCMを選び、それを見た人、あるいは見ていない人に配信する方法。インターネットに接続されているテレビから視聴データを取得して、テレビが使っているルーターと同じIPアドレスに結線されたデバイス(スマートフォン、PC、タブレット)に配信する仕組みです。まだ自社CMを見たことがない人に配信してリーチを広げたり、競合他社のCMを見た人だけに配信したりすることができます。

BtoBターゲティング

IPアドレスに紐づけられた企業データベースと連携し、企業規模(売上や従業員数など)、業種などでセグメントする方法や、名刺データにより、業種や職種・役職でセグメントして配信する方法があります。また、商材に関連するポータルサイトがある場合は、そのようなサイトのユーザーデータと連携して、そのメディアのユーザーや類似するユーザーに配信することもできます。

ジオターゲティング

ユーザーの位置情報を活用した配信方法。特定地点から半径〇km圏内にいる人や、ポリゴンレベルで場所の範囲を設定し、過去そこに来たことがある人などをターゲティングできます。たとえば、特定のドラッグストアチェーン全店舗の半径2km圏内にいる人、採用ブランディング目的で大学に通っている人に配信することなどが可能です。

特定の番組指定ターゲティング

番組を指定して配信する方法(通常、TVer広告では番組ジャンルでのセグメントが限界)。「視聴・未視聴ターゲティング」が特定の番組を見た”人”のセグメントであるのに対して、こちらは”枠”のセグメントです。自社商材と親和性が高いタレントや、CM契約タレントの出演番組に配信することなどが可能。

別の動画配信サービスとセットで配信

TVer以外の人気動画配信サービスと抱き合わせで配信する方法。たとえば、次のような配信先があります。

ABEMA
週間視聴者数2,300万以上の動画配信サービス。ティーンを対象とした恋愛番組のほか、アニメ、スポーツ系コンテンツが主力であり、視聴ユーザーの約半数以上が34歳以下と若年層から支持されています。ティーンを対象とする商材の場合や、テレビCMではカバーできない層にリーチしたい場合におすすめ。

DAZN
世界最大級のスポーツ専門ストリーミングサービス。サッカーやプロ野球、モータースポーツの分野に強く、18~44歳の男性が主なユーザー層。スポーツ関連の商材、メンズ用品などとの相性〇。

なお、これらの配信をおこなう場合においても、通常のTVer広告と比べて、使えるターゲティング項目や広告視聴の獲得効率、使用できる動画素材、最低出稿料金などが変わってきます。

まとめ

認知や興味関心を高めるアッパーファネルでの施策にうってつけのTVer広告。どのようなやり方で実施するかは、広告の目的によって最適解が変わってくるため、慎重に検討する必要があります。さらなる詳細を知りたい方やプランニングをご希望でしたら、ぜひ株式会社産案までお気軽にお問い合わせください。

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